新ジャンルアニメ、『NEO YOKIO : ネオ・ヨキオ』

「なんだこれつまんねえ」という感想を持つドラマや映画は多いかも知れないけど、「なんだこれ全く意味がわからねえ」とあっけにとられてしまう作品に出会うことはあんまりない。
つまらないと思ったらすぐに停止ボタンを押してしまう私だけど、Netflixオリジナルアニメ『NEO YOKIO:ネオ・ヨキオ』は見続けるか止めるか迷いながら結局最後まで見守ってしまいました。

『NEO YOKIO(ネオ・ヨキオ)』とは

あらすじ

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Netflixが制作し、2017年9月22日から放映されたアニメシリーズ『NEO YOKIO』。
主人公は、「世界一の街」であるネオヨキオに暮らすKaz Kaan(カズ・カーン)。彼は人気ホッケー選手でありながら、悪魔祓い一族の末裔。街の”Bachelor Board”(イケてる独身男性ランキング)にもランクインする正真正銘のクールキッズのカズは、街の平和を乱す悪魔を退治しながら、ブルジョワライフを送っている。

すごい製作陣

一話目を見てもらうとわかるんだけど、正直全く「凄さ」が伝わってこないアニメです。度肝を抜くようなハイクオリティ動画という訳でもないし、声優とキャラのイメージが合ってないような気がするし、ファッション好きじゃないと全く伝わらない小ネタばっかりだし。
だけど実は名だたる人たちが集まっているのがこの『NEO YOKIO』なんです。

クリエイター:Ezra Koening(エズラ・コーニング) ←人気バンドVampire Weekendのメンバー
クリエイティブ:Ben Jones(ベン・ジョーンズ) ← Major Lazerのアニメプロジェクトも手がけている人
制作会社: Production I.G. と Studio Deen ←プロダクションアイジーといえば『攻殻機動隊』シリーズで、どちらも日本の制作会社です。
声優陣
Kaz Kaan :Jaden Smith(ジェイデン・スミス) ←言わずと知れたウィル・スミスの息子で俳優。
Charles :Jude Law(ジュード・ロウ) ←もう言わんでもいいだろ
Helena St. Tessero: Tavi Gevinson(タヴィ・ゲヴィンソン) ←小学生の時にファッションブログを始めた世界的ブロガー(御年21歳、2017.9月時点)
Aunt Agatha :Susan Sarandon(スーザン・サランドン) ←数々の映画に出演している名女優。個人的には『ジャイアントピーチ』で蜘蛛さんの声やってたの知ってびっくり。
ちなみにゲスト声優にAlexa Chung(アレクサ・チャン)もいる。カズの元カノ・キャシー役で、やたら声がハスキーでキャラクターの姿とギャップがあります。

私がわかる範囲でもこれだけの人がいます。
ファッション大好きブルジョワ男子が主人公なだけあって、ファッショニスタたちがちらほら出ているのが嬉しい。

『ネオヨキオ』のおもしろポイント

ファッションオタク、サブカルホイホイなネタ

カールラガーフェルド、ココシャネル、セリーヌ、ラルフ、カルティエ、バーバリー、ベビーカシミア、「ケーブルニットの良さについて」、プレッピー、マティーニ、エスプレッソ、メトロポリタンミュージアム…これらの言葉にうずうずしちゃう人ならこのアニメを楽しめます。

日本アニメのパロディも出てくる


まずジュード・ロウが声優を務める執事ロボ、チャールズ。もう見るからに色を塗り忘れたガンダムです。
プールに落ちたら女の子になって、パンダになっちゃった!一体どれだけのアメリカ人が元ネタの気づくのでしょうか。明らかに『らんま1/2』のパロです。
実はこの「らんま回」のストーリーボードは、まさしく『らんま』でアニメーターを経験した古橋一浩さんが担当しています。日本のプロダクションが制作しているわけで、純粋なアニメファンも楽しめる小ネタを入れてくれているようです。

意外と深い? 皮肉に溢れた設定

これはあくまで私の考えです。
最初は一体何がしたいんだこのアニメ、と思ったわけですが、今は最大限にミレニアル世代をディスっている作品なのでは、という推測が浮かんでいます。
主人公の対極に置かれる人物が、この作品のヒロインでもあるHelena St. Tessero(ヘレナ・セイント・テセロ)。彼女は悪魔に取り憑かれた経験をきっかけに、キッパリとファッションブロガーを辞めてしまいます。ネオヨキオ中の女の子が憧れるファッショニスタであったのにもかかわらず。しかもヘレナは、以前の彼女に戻そうとするカズに対し、「物質主義のナルシスト」と冷たく言い放ちます。(笑)

私は、このアニメの狙いはここなのかな、と思います。登場人物たちは、若い世代のカーストの頂点にいる人たちです。いわゆる「クールキッズ」であり、「インフルエンサー」であり、「ブルジョワジー」である彼らを、あえてNERD(オタク)カルチャーであるアニメで描いているのは、実は彼らを皮肉りたいからなのでは?(笑)
これは私の感想で、根拠はないです。

最終的におすすめかどうかを問われると悩むところですが、個人的には好きなアニメでした。

『サルトルとボーヴォワール:哲学と愛』

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『赤毛のアン』と英文学史

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