『美術館を手玉にとった男』:ART AND CRAFT

ビル・カニンガムのドキュメンタリーも何回も見たけど、この作品も何回も見ることになりそう(すでに二回鑑賞済み)。

この映画をオススメしたいのは

・芸術家やデザイナーのドキュメンタリーが好きな人
・おしゃれな映像が好きな人
・「アート」という言葉につい反応してしまう人
・才能ある人の姿を見ると刺激されて自分も何かしたくなる人
・ジャーナリストに憧れる人

作品の概要


『美術館を手玉にとった男(原題:ART AND CRAFT)は、全米40以上の美術館に贋作を手渡した男の実態をまとめたドキュメンタリー。宗教画からピカソ、果ては歴史的な公的文書のレプリカを作り、偽名を使って美術館へ無償で渡していたのはマーク・ランディス(Mark Landis)という中年男性。一人のキュレーターが彼の犯行に気づき、贋作師ランディスはメディアに取り上げられる。しかし彼は逮捕されなかった。彼と美術館の間に金銭的な取引はなく、詐欺が立件しなかったようだ。
その後Newyork TimesやFinancial Timesといった一流メディアでも特集記事が掲載された不思議な贋作者ランディス。彼は一体どんな人間なのか。ランディス自身、彼の犯行を突き止めたジャーナリスト、被害者である美術館関係者らに迫ったのが本作品だ。

一つのことをずっと続けられる人

私はとっても飽きっぽいから、何か一つのことにこだわって極めている人に憧れる。ランディスが淡々と筆を動かす姿や、古い作品に見せるための技術を語る姿は、何かを突き詰めかけている人の持つ澄んだ雰囲気がある。

ぐちゃぐちゃのように見えて秩序がある美学

たくさんの本がいたるところに積み重なってて、紙やらペンやらが転がってて、隙間にちょこんとパソコンがあって、飲みかけなんだか洗ってないんだかのコーヒーマグが机の端っこに潜んでたりしてるランディスの部屋。その「ぐちゃぐちゃ」の中にどこか統一性があって、その統一性が部屋の持ち主のこだわりを表してる。それに死ぬほどキュンキュンする。
私のフェティシズムを満たしてくれる部屋をみれただけで、私はこの映画を観てよかったと思った。

映画の編集がおしゃれでセンスを感じる

そしてこの映画の編集が写真集を見てるみたいにおしゃれ。シーンの切り替えと、アメリカらしいカラフルな景色の切り取り方がインスタジェニック…!
90年代のティム・バートン映画や、ソフィア・コッポラの映画に出てきそうなパステルカラーの家と、鮮やかなグリーンの芝生。その中を猫背のランディスが同じテンポでのそりのそりと歩いていく姿は、もはやサブカルキラーのごとしセンスの良さ。ランディスが好きな古いテレビ番組や映画のワンシーンに続くようにランディスを写したり、「凝ってるなーーー」という編集が目を引いた。なんだかラナ・デル・レイのアルバムジャケットを思い出した。

ひとこと

とりつかれるように何かに没頭してる人は、それだけで人を引き寄せる

by カエレバ